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大切なのは「定着させる力」②モチベーション

さて、生徒が授業の内容を定着させるまでには、3つの壁を越えてもらわなければなりません。

壁①机に向かう~モチベーション~
勉強嫌いな生徒にとって一番難しいのは机に向かう事です。言い換えれば、勉強のモチベーションを上げるのが難しい。特に思春期の子供は、人に命じられたことや自分の意志と関係なく存在する日常に疑問を持ち反抗したくなるものなので、勉強をやらせることはとても難しいです。ですから、やらせるのではなく自発的にやってくれるのが一番で、親や教師の役割はそのサポートをすることと考えるのが良いでしょう。

子供の学習モチベーションは、東京大学大学院教育学研究科長の市川伸一氏によると、以下の6つの志向モデルが有ります。

  • 充実志向
    学習すること自体が楽しいし、やっていると充実感がある。内容重視なので学習することによって得をするかどうかは考えていない。
  • 訓練志向
    知力を鍛えることが動機づけになっている。学習することによってスキルが身につく課題でないとやりがいがない。
  • 実用志向
    学習は自分の将来の仕事や生活に生かせるからやるという考え方。学習することによって仕事や生活が豊かになるという風に、内容が役に立つ内容でないとやりがいがない。
  • 関係志向
    「みんながやっているから」「先生が好きだから」というふうに他者につられて学習している。「何を学ぶか」よりも「誰と学ぶか」に関心が高い。
  • 自尊志向
    プライドや競争心から「負けたくない」気持ちで学んだり、「いい結果を出すと優越感がわく」という動機。
  • 報酬志向
    明らかに外からの物質的な報酬を意識している。たとえば、「いい結果を出すと何かがもらえる」「学習すると昇進試験に合格する」という理由で学習する。その時、関心は「昇進試験に合格すること」にあり、学習している内容自体にたいした興味があるわけではない。

経験を積んだ大人なら、これらの学習動機が有ることをまず知り、意識的にどれかにスイッチを当てることも可能です。しかし子供はそうはいきません。大人がそれを学び、上手く使い分けさせることが重要です。

「記憶の仕組み」の項で話したように「楽しむ」ことは学習効果を飛躍的に高めますから、理想的なのは充実志向です。しかもこれが最も長続きします。

ただし、初めからそれを目指さないことも重要です。今まで勉強が嫌いだった子にいきなり「楽しんで勉強しよう」と言ったって、出来るわけが有りません。報酬動機も立派な動機です。せっかく子供がやる気になっているのに、その動機にケチをつけてやる気を削いでしまう親御さんが残念ながら非常に多いような気がします。

どんな動機で有れ、まずは机に向かう習慣を付けることです。人間、自分が努力したことを無駄にはしたくない、意味の有るものにしたいという気持ちが必ずあります。勉強も、続けていれば今までやってきたことを無駄にしたくない、じゃあ今日も頑張らないと、明日も頑張ろう、とそれ自体が動機になっていくものです。それまでの過程を、手を変え品を変えサポートしていくのが親や教師の腕の見せ所です。

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